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裏返しってなに?―畳屋3代目が教える畳の替え方

お家の畳を替えたことはありますか?

 

新居に住んだばかりの人や、マンションに引っ越したばかりの人、もしくはボロボロになってきたけどどうしたらいいかわからない人はまだ替えたことがないと思います。

 

「畳を替える」と一言で言っても、実は替え方には種類があります。

大きく分けると

・表面だけ

・土台ごと

・裏返す

の3種類ですが、それぞれで細かく見ていこうと思います。

 

この記事で、自分はどういう替え方をしたいかという具体的なイメージができるようになったら幸いです。

 

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そもそも畳ってどうなってるの?

畳を替える前に、そもそも畳は何で構成されているのかをご説明します。
それを理解することで、より畳を替えることについてより分かりやすくなると思います。

畳表(たたみおもて)/ゴザ

畳の表面にある部分には、畳表が使われています。
畳の表面だから畳表なんですね。

これは、大抵「イ草」という天然の草で作られていることが多いです。
最近では化学表と呼ばれる、和紙でできているものや塩化ビニールでできているものもあります。

それぞれメリットデメリット、用途がありますので、もし現状で何か悩みがあるならまず畳屋さんに相談してみるといいでしょう。

中にはペット用の畳表もあるので、いろいろな種類の畳を扱っている畳屋さんなら様々な角度から提案して、丁寧に説明してくれるでしょう。

ちなみに、一般的に「ござ」といえば、下記で説明する畳床がついていない敷ござを指します。
例えば玄関マットのように使ったり、リビングに昼寝用に敷いたりするためのものです。

畳床(たたみどこ)

表面の下には、その心材となる畳床があります。
この畳床があるおかげで、しわなくびしっと畳が敷き詰められているんですね。

畳床の厚みはお部屋の敷居に合わせて作られています。
最近では薄畳という厚さ20ミリ以下のものもあります。
大抵は45ミリ~55ミリくらいです。

材質は様々で、写真にもある少し茶色の部分が「木質系ボード」といい、木を細かく砕いて圧縮し固めたもの、白い部分が断熱材の役割をする「スタイロ」といいます。
スタイロというのは発泡スチロールを英語で言ったもので、こういった材質全般を指すはずですが、「スタイロフォーム」という商品名がついた畳床の材料があるので少しややこしくなっています。

木質系ボードにも種類がいくつかあり、足ざわりがいいものから固いものまで様々です。
「スタイロ」にも種類があり、どういった素材を使っているのかは畳屋さんによって違います。

クッション材がついていることもありますし、薄いものだとガラス繊維が入っているものもあります。

どういった畳床がいいのかは畳屋さんと相談するのがいいですが、確実に言えるのは、薄い畳は弱いということです。
一般的な45ミリ~55ミリくらいの畳床が丈夫で長持ちします。

※藁床

畳床の種類で、天然の畳床です。
昔ながらの建物やこだわりのお家にはこの藁床が入っていることが多いです。

畳床の中でも一番丈夫で、ものによっては100年以上使い続けられます。
足ざわりの感触が独特で、わざわざ藁床に替えるお客様もいらっしゃいます。

最近では建材床(上記で説明していた化学繊維の畳床)が主流になっています。
理由としては、藁の減少、気密性が高い建物が増えたので湿気に強い建材床への移行、などがあげられます。

ほぼ完全に天然素材なので、そういったこだわりがもしあるなら、藁床にするべきです。
ただ注意が必要なのは、湿気に弱いところです。

昔ながらのお家だと、わざとすきま風が入るようにしていたり、床板の隙間を開けていたりして、気密性をそこまで高くしていません。
そうすることで、湿気を外に逃がし、より家の寿命が長くなるように設計されているのです。

もしあなたがマンションにお住まいで、気密性が高いお部屋になっているなら、そういった湿気対策をしっかり行うことが、藁床と付き合うのにいいと思います。

そもそも湿気がたまると人間の身体にもよくないので、そういったお部屋のメンテナンスも楽しめる方がいいかもしれません。

畳縁(たたみべり)/ふち

和室を彩る、ちょっとしたアクセントになっているのが畳縁です。
お部屋の印象も変わってくるものですね。

縁の種類は実に5000種類以上あって、とても紹介はしきれません。
当店の場合は、岡山県で作られた畳縁を使用しています。

柄も洋風和風様々あり、材質も綿素材・麻綿素材の天然素材をはじめ、化繊系の縁を多く取り扱っています。

縁によって強度が強い弱いというのは、あるにはありますが、普通にご使用の場合だとそこまで気にすることはないかと思います。

中には備長炭が刷り込まれた縁や、ジーンズ生地の縁、撥水加工がされた縁などもあります。
家紋の縁もあるので、もしそういったことに興味があれば、一度畳屋さんに相談しに行くとよいでしょう。

3つの「替える」

ここまでで、畳がどういう素材でできていて、どういう構成で仕上がっているかがお判りいただけたと思います。
素材については知られていないことが多いので、意外なこともあったかと思います。

ではお待ちかねの、どういった替える作業があるのかをお伝えします。

畳表を「替える」

これは、今ついている畳表とヘリを新しくする工事です。
お使いの畳床はそのままなので、畳床代にかかるお金が浮きます。

畳床が元気であれば、ほぼどういった畳表でもつけることが可能です。
現在の畳床を半分に切り半畳のようにして、お部屋を市松敷に変更することもできます。
(畳のサイズが変わるので、畳屋さんによる採寸が必要になります)

もちろんヘリなしにもできますが、当店はヘリなし畳よりもヘリ付き畳の方をオススメしています。
その理由はまた別のブログで書けたらと思います。

畳床から「替える」

畳床、畳表、畳縁すべてを替える新調工事です。
畳床がだめになってしまった、もしくは畳がもともとない部屋に畳を入れる場合もこれになります。

畳床は長年使っていると、凹んできたり縮んだり、ホコリなどのゴミがたまったりします。
現状の耐久具合や年数などをみて、畳屋さんと相談し、気になるようであれば新調工事をするといいと思います。

薄い畳を普通の厚みの畳床に替え、巾木(はばき)を後からつけることもできます。
そうすることによって、耐久性が低く、固くなりがちな薄い畳床から、足ざわりがよく長持ちする畳床に替えることもできます。

裏返しで「替える」

タイトルにもあった、「裏返し」です。
現在ついている畳表を裏返し、ヘリを新しくつける工事です。

畳表は、表側と裏側とが使えます。
一般的に畳表の寿命は10年ほどといわれていますが、裏返しを表替してから5年ほどたった後行うと、その寿命をしっかり全うするか、ものによっては延びます。

注意が必要なのは、裏返しはヘリなしではできないことと、ヘリ付きでも、変形畳ではできないことです。

ヘリなし畳は、角を無理やり折り曲げて作るため、裏返すとその跡が残っており、また反対側に折ることにもなるので、技術的にも不可能です。

変形畳ができないのは、裏返しは畳の左右が反転するため、形が合わなくなるからです。
柱などがあって畳が特殊な形をしていると裏返しができず、その畳だけは表替えになります。

また、変形とまではいかなくても、お部屋がかなりゆがんでいる場合は、裏返すのが難しかったりします。

畳屋さんと相談をして、裏返しが可能かをご相談してみてください。

その他の「替える」

その他として、ヘリだけ替えることもできます。
お部屋の模様替えのようなイメージで、ヘリだけを替えるのも雰囲気がかわっていいですよ。
畳替えしたばかりの畳表の色と、退色(日焼け)した後の畳表だと色が違うので、それに合わせてヘリを替えるのもいいでしょう。

あと、床の間にも畳があると思いますが、それは龍鬢表(りゅうびんおもて)と言って、少し特殊な畳表です。
これにも何種類か種類があるので、替える際は畳屋さんにどんな種類があるのかをよく聞いて、ご希望に添えるものをお求めください。

まとめ

いかがでしょうか。
畳を替えることについても、種類があることが伝わっていれば嬉しいです。

畳替えは10年に一回くらいのスパンですので、十分に畳屋さんと相談をして、決めていってください。
その際、しっかりその畳屋さんが信頼できるかを見定めて、工事に臨んでくださいね

畳を替えたいけどどうやって選べばいいの?専門家が伝えるいい畳屋さんの見分け方!

当店のご紹介「奥井畳店」

奥井畳店

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okuitatami@gmail.com
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兵庫県神戸市灘区桜口町2丁目3-21
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月曜日〜土曜日(祝日も営業中)

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